「投票へのハードルが下がる」 障害者施設に期日前投票所 栃木

2025/07/15 20:28 

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 栃木県那須烏山市で知的障害者の入所施設やグループホームなどを運営する社会福祉法人「大和久福祉会」の会議室に15日、臨時期日前投票所が設置され、59人が20日投開票の参院選の投票をすませた。

 老人ホームや病院の場合、県から不在者投票施設の指定を受けると施設内で投票できるが、障害者施設は対象外。以前は法人が用意したバスで投票所に出向いていたが、投票率の向上や障害者の社会参加の促進を目指す市選挙管理委員会が臨時期日前投票所のことを伝え、昨年11月の知事選で初めて設置した。

 59人中58人が投票用紙に文字を記入することが困難だとして事前に代理投票を申し出ており、選管職員は7人体制で実施した。

 投票する入所者1人につき職員が2人1組となり支援。「指で(候補者を)指せますか」「文字が小さかったら、こちら(ホワイトボード)を見ますか」「これで間違っていませんか」などと声をかけながら、1人が投票用紙に代筆し、もう1人が立ち会い、本人に記入内容が指示通りかを確認して、投票箱に投じてもらった。

 網野栄理事長は「施設の職員もそばにいて、パニックなどにならず安心して投票できるのが最大のメリット。投票へのハードルが下がり、ありがたい」。投票した入所者の女性(69)は「新聞やテレビを見て、社会福祉のことを考えてくれる人に投票しました」と話した。【有田浩子】

毎日新聞

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