「極端な思想の公務員、洗い出し辞めさせる」 参政・神谷代表が発言
参政党の神谷宗幣代表が14日、松山市であった参院選の街頭演説で、公務員を対象に「極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法です」と述べた。
憲法19条は、思想や信条の自由を保障している。また、思想調査については憲法13条に基づくプライバシー権に触れる恐れがある。
演説で神谷氏は「極左の考え方を持った人たちが浸透工作で社会の中枢にがっぷり入っていると思う」と述べており、急進左派的な思想を排除したい考えがあったとみられる。
思想把握や選別の必要性に言及したと受け取られかねない内容で、毎日新聞は神谷氏と党に質問状を送った。
党事務局は17日に回答を寄せ、「特定の思想を理由に公務員を辞めさせるようなことは憲法上許されるべきでない」との見解を示した。「思想信条そのものを理由に『辞めさせる』という趣旨ではない」としつつ、法令に反する行為があった場合に「相応の措置が必要であるという一般論を述べた」と答えた。
また、「浸透工作」の意味を尋ねる質問に対しては、「特定の思想や利害を背景に、個人や団体が制度や政策決定に影響を及ぼそうとする活動」だとした。
参政党は公約で、経済安全保障のための「スパイ防止法」の制定を掲げている。
公務員は、国家公務員法や地方公務員法などにより、政治活動には一定の制限がかかるが、思想信条の自由は保障されている。
大阪市では2012年、橋下徹市長(当時)の指示で、全職員に対して労働組合や政治活動への関与を尋ねるアンケート調査をした。後に違法性が争われ、憲法が保障する団結権やプライバシー権を侵害したと認定する大阪高裁の判決が確定している。【春増翔太】
神谷氏の発言の該当部分は以下の通り。
<自民党がもうアメリカの民主党みたいになっているんですよ。だから全然自民党がトランプ政権とうまくいかないでしょ。関税交渉もいかないでしょ。それは官僚ですよ。官僚、公務員。そういった極左の考え方を持った人たちが浸透工作で社会の中枢にがっぷり入っていると思うんですよ、ね。これをね、洗い出して、ね、極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけないと思います、私は。これをね、洗い出すのがスパイ防止法です>