「裏金議員」の要職起用、総裁選5候補とも否定せず 表現に濃淡も
自民党が23日に開いた党総裁選候補による共同記者会見では、5候補とも派閥裏金事件に関与した議員の要職起用を否定せず、党内融和を優先する考えを強調した。だが、起用に向けた表現ぶりには濃淡がある。各候補とも幅広い議員票の獲得を狙う一方、陣営に「裏金議員」を抱えるかどうかで差が出たようだ。
起用に最も前向きな姿勢を示したのは、高市早苗前経済安全保障担当相だった。昨年4月に党が離党勧告を含む処分を決定し、昨秋の衆院選ではさらに非公認などとしたことを念頭に「たくさんの処分も行われ、選挙の審判を受けている。全員活躍、力を総結集し、適材適所で力を発揮してもらいたい」と語った。
高市氏は安倍晋三元首相の全面的な後ろ盾を受け、2021年総裁選に初出馬した。3度目の挑戦となる今回も、陣営には裏金事件で最大の震源地となった旧安倍派の議員を多く抱える。
茂木敏充前幹事長も「一度失敗したから、もう二度と駄目ということではない」と強調。「活躍によって国民の負託に応えていくことが重要だ」と積極起用の姿勢を打ち出した。
一方、起用に含みを残しながら、慎重さもにじませたのは小泉進次郎農相だった。人事は「徹底した実力主義」とした上で、起用の判断基準として説明責任を十分に果たしたかなど3条件を挙げた。「自民党の対応に納得できないと考えている国民がいることも重く受け止めながら、適切に判断していく」とも語った。
小泉氏の陣営は、菅義偉元首相に近い議員や旧岸田派、麻生派の議員が中核で、現状では旧安倍派は数人にとどまる。最大のライバルと目される高市氏が、旧安倍派に配慮せざるを得ないことを踏まえ、差別化を図った可能性がある。
林芳正官房長官と小林鷹之元経済安全保障担当相も、党の処分や選挙を経たことを強調し「人事は適材適所」と起用の可能性をにじませた。
ただ、自民が国民からの信頼を失い衆参の国政選挙で連敗した主な理由が裏金事件だったが、党再生にどのように取り組むかとの問いに対し、事件の実態解明や繰り返される「政治とカネ」の問題の根絶を挙げる候補はいなかった。
一方、昨秋の総裁選で争点となった選択的夫婦別姓制度の導入は、5氏とも慎重姿勢で足並みをそろえた。
前回総裁選で制度導入を改革メニューの柱に据えた小泉氏は「思いは変わらない」としつつ、党内や野党間でも議論がまとまっていないとして「国民的理解、与野党のコンセンサスを得る努力が必要ではないか」と、さらなる議論が必要との考えを示した。
林氏も前回は「個人的にはあってもいい」と賛意をにじませていたが、慎重姿勢を明確にした。理由について、制度導入に賛成・反対に加え、旧姓の通称使用拡大を入れた三つの選択肢で世論調査を実施した場合は「通称使用拡大が最も多い」と説明した。他の3候補は前回から慎重か反対の立場で、小林氏は「保守という考え方は秩序の中に進歩を求める。社会の基盤に関わる話だから、世論の合意形成が極めて大事だ」と改めて指摘した。【内田帆ノ佳】
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