自民と維新、連立協議へ 高市首相の公算大 立国維一本化は難航

2025/10/15 20:46 

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 自民党の高市早苗総裁は15日、日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)と国会内で会談し、維新の連立入りを含めて両党で政策協議を16日から開始することで合意した。吉村氏は維新が掲げる「副首都構想」などの政策実現に向けて自民と一致できれば、近く行われる首相指名選挙で維新が高市氏に投票する可能性もあると明らかにした。

 一方、立憲民主党の野田佳彦代表は維新、国民民主党との野党3党による首相候補の一本化を目指すが、難航している。維新が自民との連携に傾き、野党の一本化が困難となったことで、高市氏が首相に選出される公算が大きくなっている。

 林芳正官房長官は15日の衆参両院の議院運営委員会理事会に出席し、臨時国会を21日に召集する方針を伝えた。自民は石破茂首相の後任を選ぶ首相指名選挙を、21日に実施することを目指す。

 高市氏は吉村氏との会談で「首班指名の協力、一緒に政権を担っていただく連立含みの協力をお願いしたい」と要請。吉村氏は「協力に向けて政策協議をこれから開始する」と応じ、「副首都構想と社会保障改革が2本柱であると申し上げた」と語った。維新はこの他、16日の政策協議で▽政治資金▽食料品の消費税率ゼロ▽国会議員定数削減――など十数項目を協議対象として求める方針だ。

 「副首都構想」は、災害時の首都中枢機能のバックアップなどを担うものだ。高市氏は「両党で協議体を作る。来年の通常国会あたりを目指してやっていけたらと思う」と述べ、実現に協力する考えを示した。

 これに先立ち高市氏は、国民民主の玉木雄一郎代表とも会談し、首相指名選挙での協力を要請した。高市氏は所得税の「年収の壁」引き上げについて、協議体を設置して速やかに対応したいと伝えた。ただ、玉木氏は会談後、記者団に「国民民主が加わっても過半数を形成できない。意味のある議論ではなくなっている」と慎重姿勢を示した。

 これに対し野党側は、立憲の野田氏、国民民主の玉木氏、維新の藤田文武共同代表の3氏が国会内で会談した。野田氏は首相候補の野党一本化について「十数年に1度しかないチャンスだ。野党で知恵を出し合おう」と呼びかけ、一本化の選択肢について玉木、藤田両氏の名を挙げた。

 ただ、玉木氏は「仮に私が首相に選ばれても政権運営が厳しくなる」と記者団に述べた。藤田氏も「大義を何に置くか、国民に納得いただける枠組みかどうかが大事だ」と語った。【園部仁史、大野航太郎】

毎日新聞

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