「なろうと思ったことは一度も…」 村山富市さんを首相にさせた人柄
「巡り合わせの人生」。政治家としての歩みを振り返る時、17日に101歳で亡くなった元首相、村山富市さんが好んで使った言葉だ。その道は首相という政権トップの座に続いていたが、旧社会党の衰退や自民党の延命にもつながった。村山さんの胸中には苦い味も残ったはずだが、その巡り合わせへの感情は表に出さなかった。
大分県職員労組の専従職員から31歳で大分市議に初当選。その後は県議、衆院議員と活動の場を移していったが、出てくる言葉は「自分から『なりたい』『なろう』と思ったことは一度もなかったな」。政界引退後、大分市内の村山さんの自宅で取材をした時、「野心もなく国のトップになれるものだろうか」と不思議な気持ちがした。
何度か自宅を訪ねるうちに、腹に落ちることがあった。金大中・元韓国大統領の死去(2009年)などに関連して取材を申し込むと、村山さんは「わしなんかに聞かんでもよかろう」と一度断る。「いや、そう言わずに」と食い下がると、もう断らない。自民党幹部の信頼も厚く、その気さくさ、人の良さが首相にまつりあげた大きな理由だろう。
首相就任から旧社会党は自衛隊容認への転換などで大きく揺れた。「裏切られた」「自民党に利用された」と強い失望を口にする関係者がいる一方で、現実路線は「党の過渡期に重なった」とみる人もいる。村山さんは「連立に入った以上、反対ばかりは言えない」との立場だったが、決断する葛藤もあったはずだ。09年8月の総選挙で政権が交代したのを見届けた時も「政権は代わったが、政治が変わるかどうか」と気にしていた。
阪神大震災、地下鉄サリン事件、戦後処理――。社会の激変にも直面した。危機管理などを巡り批判も浴びたが「巡り合わせをよくするか、悪くするかは人次第。逃げずに乗り越えないといけないんだと思うね」。労働運動から政治を志し、党の栄光から衰退を見続けた政治家に、鯨岡兵輔・元衆院副議長(故人)は「豪眉(ごうび)決断」の言葉を贈っている。
引退後、散歩中に市民から気軽に声をかけられる姿は「元首相」より「トンちゃん」と呼ぶ方がふさわしい気がした。ただ、引退後も社民党の看板として候補者の応援に駆け回り、国会のテレビ中継にチャンネルを合わせ続けた姿は、最後まで政治家だった。【小畑英介】
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