補正予算案閣議決定 税収2.8兆円上振れも国債追加 進む財政悪化

2025/11/28 17:10 

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 政府は28日、2025年度補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出は18兆3034億円で、物価高対策や投資促進策などを柱にした経済対策を裏付ける。歳入の6割は11兆6960億円の国債を追加発行して賄い、財政悪化が進む。補正予算案は開会中の臨時国会に提出し、早期成立を目指すが、当初予算と合わせた一般会計の規模は133兆5012億円に膨らむことになる。

 補正予算案で国債は、公共事業費などの財源となる建設国債を3兆5390億円、建設国債を発行しても歳入が足りない分を埋める赤字国債を8兆1570億円それぞれ追加発行する。このほか歳入には、好調な企業業績に伴う所得税収や法人税収が増加し、25年度の税収が従来見通しより上振れするとして2兆8790億円を計上。税外収入1兆155億円、24年度決算の剰余金2兆7129億円を充てる。25年度全体の税収は、過去最高となる80兆6980億円になる見通し。

 歳出のうち、21日に決定した経済対策の関係費用は17兆7028億円となった。このうち物価高への対応に8兆9041億円▽「危機管理投資・成長投資」促進に向けて6兆4330億円▽防衛力強化などに1兆6560億円――を充てる。防衛関連経費には1・1兆円を計上。高市早苗首相が25年度内への前倒し実現方針を示していた「国内総生産(GDP)比2%」目標を達成する。このほか予備費は7098億円を追加し、災害やクマ被害拡大などに備える。【加藤結花】

毎日新聞

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