ダルメシアンの警察犬・ヒマワリ号が誕生 「他の犬の何百倍も練習」

2025/11/28 17:34 

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 ディズニー映画「101匹わんちゃん」のモデルとして知られている白地に黒のブチ模様が特徴のダルメシアン。新潟県警はこのほど、ダルメシアンの「ヒマワリ号」を嘱託警察犬に委嘱した。シェパードやドーベルマンといった特定犬種でない警察犬の誕生は新潟県内で初めてで、12月1日から1年間、行方不明者の捜索などに出動する。

 ヒマワリ号は3歳の雌。長野県のブリーダーの元に生まれ、犬や猫の保護活動をしていた新潟市の小船井京子さん(52)が引き取った。

 小船井さんによると、ヒマワリ号は生後半年までは建物から出られないほど、屋外におびえ、引き取って1週間ほど、ほえ続けていたという。

 日常生活に支障が出ないようにとトレーニングを始め、1歳半くらいになったころ、関係者から「警察犬が少ないのでやってもらえないか」と熱心に声をかけられたことから、嘱託警察犬を目指すようになった。

 ダルメシアンは足が速い半面、その速さ故に対象の足跡を見失ってしまうこともあるという。ヒマワリ号は2歳ごろから1年強の訓練を経て、今年10月の審査会で見事合格した。小船井さんは「他の犬の何百倍も練習したんじゃないかな」と振り返る。

 今月25日には秋葉署での委嘱式に先立ち、近くの新潟市立新津第一小で実演会に登場。先輩警察犬と一緒に、捜索対象の匂いを覚えて行方をたどる「足跡追及」や、「伏せ」や「待て」などの命令通りに動く「服従」訓練を披露した。

 足跡追及では匂いを頼りに落ちていたペンなどを発見。見学していた小学生たちからは拍手が上がった。小船井さんは「一人でも多くの方を見つけられたら、やってきたことに意味がある」と意気込んでいる。

 県警などによると、嘱託警察犬の数は年々減少傾向で、審査会で合格する犬も2019年の15頭から25年の8頭にほぼ半減した。

 現状では、捜査や捜索活動などに支障は出ていないというが、県警は23年から犬種の制限を撤廃。「警察犬が増えれば県民の安心安全のためになる。意欲があれば応募してほしい」と幅広い犬種の応募を呼び掛けている。【戸田紗友莉】

毎日新聞

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