高市首相「多様なコメの増産を進める」 方針転換への懸念払拭狙いか

2025/12/08 16:47 

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 高市早苗首相は8日の衆院本会議で、今後のコメ政策について「国内主食用、輸出用、米粉用など『多様なコメの増産』を進める」と明言した。高市政権になって増産にかじを切った石破政権からの方針転換を指摘する声も出ていたが、「増産」に言及することで懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。

 高市氏は「国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠だ」と強調。石破政権下の2025年4月に閣議決定した今後5年間の農政の方針を示す「食料・農業・農村基本計画」で、掲げられたコメの増産目標に向け、「国内外で需要を創出し、その拡大を図る」などと説明した。具体的には精米だけでなく、パックご飯や米粉などの需要拡大を挙げ、「戦略的に取り組む」とも語った。

 いずれも公明党の角田秀穂氏への答弁。角田氏は「前政権は増産方針を掲げたが、鈴木憲和農相が『需要に応じた生産』に戻されたことに、増産準備を進めていた生産現場では農政への不信、混乱や不安が広がっている」などとして見解をただしていた。【中津川甫】

毎日新聞

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