農林水産省がコメ政策について「需要に応じた生産」を法律に盛り込む方針を固めたことが分かりました。過去にはコメの増産を目指す動きもありましたが、鈴木憲和農相は再び政府が生産調整する政策に戻す方針です。１分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「コメの生産調整の法律化」について解説します。

Ｑ　「需要に応じた生産」って聞いたよ。どんな意味なの？

Ａ　政府は、生産現場に需給の見通しを示し、それを基にコメ農家が作付け量を自ら判断する「需要に応じた生産」を推進して米価が暴落しないよう間接的に調整してきました。

Ｑ　どうして法律に盛り込むことになったの？

Ａ　これまでは政権が変わるたびにコメ政策が変わりやすかったため、法律に明記して簡単に方針が変わらないようにするためです。

Ｑ　石破茂前首相は増産を目指したんじゃなかった？

Ａ　昨夏からのコメ騒動は、需要量を見誤ったことによる生産量不足だったことを国も認めています。国が正確に需給を予測するのは難しく、石破前首相はコメの生産を増やす方針を掲げました。しかしコメを作りすぎて価格が暴落することを恐れた農家や自民党の農林族が反発しました。

Ｑ　今後はどうなるのかな。

Ａ　高市早苗政権で農相に就任した鈴木氏は、生産現場の混乱を踏まえて「需要に応じた生産」に再び戻す方針です。法律に明記することで、政権が代わってもコメ政策の原則を安易に転換させない仕組みにする狙いがあるとみられます。