今年も「東海強し」の1年 坂口裕之選考委員長講評

2025/12/08 14:56 

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 社会人野球を統括する日本野球連盟(JABA)は8日、2025年度の社会人野球表彰(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社共催、シチズン時計、ネクストベース協賛)の受賞者を発表した。選考委員会の坂口裕之選考委員長(日本野球連盟アスリート委員会委員長)の講評は以下の通り。

 今年も「東海強し」の1年となりました。都市対抗決勝は王子と三菱自動車岡崎の東海対決となり、いずれも投手力の高さが印象的でした。日本選手権は、ヤマハが打力を発揮して制しました。JABA主要11大会も、ヤマハが2大会を制するなど東海勢が半数以上の6大会で優勝しました。ここ数年、東海勢の活躍が顕著ですが、今年もヤマハを中心にその強さは際立っていました。

 大会結果を反映し、ベストナインも10人中7人が東海地区からの選出となりました。若い投手陣をしっかりリードした王子の細川捕手ら魅力ある選手が選ばれました。Honda鈴鹿の畔上選手の10年目での初受賞は毎年成長を続けてきたことの証左です。13年目のヤマハの矢幡選手も9年ぶりの受賞で衰えのないところを見せました。一方、王子の柴崎選手、ヤマハの土山選手はルーキーイヤーから活躍しての受賞で、世代的にもバランスのよい顔ぶれが並んでいます。

 昨年は近畿地区からの選出はありませんでしたが、今年は日本生命から2人が選ばれました。都市対抗で接戦を制して4強入りし、50回の節目を迎えた地元大阪での日本選手権で決勝に進出して進化を示しました。関東地区のチームは世代交代の時期を迎え、新たなチーム作りに取り組んでいる印象を受けましたので、来年が楽しみです。

 全日本クラブ選手権はマツゲン箕島硬式野球部が2連覇しました。常勝チームの誕生は、ほかのクラブの刺激となります。都市対抗で橋戸賞に輝いた王子の九谷投手がクラブチーム出身であることが示すように、クラブのレベルは年々上がっています。来年は節目の50回大会で準決勝、決勝の舞台は東京ドームです。さらなる盛り上がりに期待しています。

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 10日に東京都内で行われる表彰式の模様は毎日新聞デジタル(https://mainichi.jp/ama-baseball/awards2025)で無料ライブ配信する。

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