タイ、カンボジアの国境紛争が再燃 トランプ氏仲介から1カ月半

2025/12/08 18:19 

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 タイ軍は8日、領土問題で対立するカンボジアとの国境地帯で空爆を実施したと発表した。カンボジア軍からの攻撃を止める目的で、軍の拠点を対象にしたと主張している。両国は7月の武力衝突後に停戦合意して小康状態を保っていたが、7日から衝突が再燃している。

 両国は10月下旬に米国のトランプ大統領が同席して和平合意に調印したが、タイのアヌティン首相は11月に入って履行を一時停止した。カンボジア側が新たに埋設した地雷によってタイ軍兵士が負傷したと訴え、緊張は高まっていた。

 カンボジア国防省の報道官は8日、係争地の一つとなってきた北部プレアビヒア州でタイ軍から攻撃を受けて、地元住民に負傷者が出ていると発表した。反撃はしていないとしている。

 タイ軍によると、7日以降にタイ東北部のシーサケート県やウボンラチャタニ県で銃撃戦が発生。これまでに少なくともタイ兵士1人が死亡した。軍は国境地帯の住民に避難を呼びかけており、少なくとも約3万5000人が避難所で過ごしているという。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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