「『特別区』が最も安定」 大阪府・市、副首都巡る国への要望に明記

2025/12/23 13:39 

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 災害時などに首都機能の代替が可能な拠点を整備し、東京一極集中を是正する「副首都」を巡り、大阪府と大阪市は23日、大都市地域特別区設置法(大都市法)に基づく「特別区」の形が「最も安定性がある」との見解をまとめた。吉村洋文知事は「副首都庁合同庁舎」の整備などと合わせて国に要望し、与党が来年の通常国会で成立させるとする副首都法案で、特別区の設置を要件とするよう求める考えを示した。

 府・市は年明けに合同で新たな協議体をつくり、副首都にふさわしい行政機構のあり方を議論、報告書の形で取りまとめる。

 大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」は、2015年と20年の住民投票でいずれも否決された。吉村知事と横山英幸市長は、23年の知事・市長ダブル選で都構想を公約にしなかった経緯があり、この間行政としても特別区の設置を掲げてこなかった。

 吉村知事は20年の住民投票否決後、「僕自身が政治家として再挑戦することはない」と明言しており、これまで3度目を問うには、選挙など住民の意思を確認する「民主的プロセスが必要」だと説明してきた。

 副首都構想は吉村知事と横山市長が代表と副代表を務める日本維新の会が大阪を前提に主張。自民党との連立政権合意書に、来年の通常国会で法案を成立させると盛り込んだ。維新は今年9月、副首都の指定には特別区の設置が必要とする法案の骨子案を取りまとめていた。【鈴木拓也、宮本翔平、加藤明子】

毎日新聞

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