県またいだ共同ごみ処理施設を建設へ 大分・中津市と福岡・上毛町

2025/12/22 17:05 

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 大分県中津市議会は12月定例会最終日の22日、隣接する福岡県上毛町と共同でごみ処理施設を建設・運営するための事務組合の設置議案を全会一致で可決した。上毛町議会も既に可決。県をまたいだ1市1町による事務組合が2026年4月1日に設立される。34年度の施設稼働を目指す。

 市によると、県境を越えた広域のごみ処理施設の運営は、大分県ではこの事務組合が初めて。他県では、福岡県大牟田市と熊本県荒尾市による清掃施設組合などの先例がある。

 中津市蛎瀬にある現行のごみ処理施設「クリーンプラザ」は1999年度に稼働し、処理能力は1日に最大150トン。地元との覚書で使用期限は2033年度までとなっている。一方、上毛町は隣接する福岡県豊前市と吉富町の1市2町で処理施設を共同運営しているが、稼働から40年以上が経過。老朽化が課題となっていた。

 中津市と上毛町は、ごみ処理施設建設に向け、25年1月に協議会を設置。建設候補地として両市町の17地区を環境への影響や防災面、経済性などについて審査した。結果、現在のクリーンプラザ敷地内を選定した。今後、地元と協議を進める。

 市清掃施設建設準備室の川野貴弘室長は「建設候補地は最終決定ではない。まずは地元住民に報告し、話し合いを進めていきたい」と話した。

 広域施設建設を巡っては、中津市は福岡県豊前市と吉富町にも打診。両市町は枠組みに加わった際の費用試算を比較するなどして、いずれも10月末に不参加を通知している。【出来祥寿】

毎日新聞

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