自衛官給与、27年度に引き上げ 人材確保狙い、改定を1年前倒し

2025/12/22 19:52 

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 政府は22日、自衛官の処遇改善に向けた関係閣僚会議を首相官邸で開き、給与水準を定めた俸給表の改定を1年前倒しし、2027年度に給与を引き上げることを決めた。高市早苗首相は26年中の国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定を表明しており、新文書の対象期間に俸給表の改定を合わせる。早期の給与引き上げで、自衛官の人材確保につなげる狙いがある。

 昨年12月に当時の石破茂内閣が28年度の俸給表改定を決めていた。俸給表は人事院勧告を受けて毎年改定されてきたが、本格的な改定は1954年の自衛隊発足以来初めてとなる。

 首相は会議で「防衛力の中核である自衛官の人材確保は政府を挙げて取り組むべき命題だ」と述べた。

 防衛省によると、自衛官の定員約24万7000人に対し、充足率は25年3月末時点で89・1%と、25年ぶりに9割を切った。政府は大半の自衛官が50代後半で定年を迎えることから、若年定年退職者給付金の引き上げや再就職支援の拡充も進める。【原諒馬、竹内望】

毎日新聞

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