福間清麗、生垣四段に敗れる 棋士編入試験の対局相手 竜王戦予選

2025/12/22 21:39 

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 将棋の女流棋士、福間香奈清麗(33)は22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指した第39期竜王戦(読売新聞社主催)ランキング戦6組1回戦で生垣寛人四段(22)に94手で敗れた。

 生垣四段は10月1日付で四段に昇段し、これがプロデビュー戦だった。福間清麗が1月から再挑戦する五番勝負の棋士編入試験では3人目の試験官(対局相手)を務めることもあり、注目度が高まっていた。

 終局後の取材に福間清麗は「一手一手難しい序中盤だったが、やや苦しいのかなと思いながら指していた。(5時間の)持ち時間をあまり生かし切れなかったので反省点の多い将棋だった」と肩を落とした。

 2人とも関西の所属だが、練習将棋も指したことがないといい、この日が初対局となった。共に振り飛車党だが、先手番になった福間清麗がおはこの中飛車に構えると、生垣四段は居飛車で対抗した。

 戦いは生垣四段が終始押しながら進み、夕食休憩前の午後5時48分に福間清麗が投了した。持ち時間各5時間のうち消費時間は福間清麗3時間30分、生垣四段3時間37分。福間清麗にとっては、勝負どころの少ない不本意な将棋に終わった。

 棋士編入試験は、女流棋士やアマチュアが若手の四段棋士5人と対局し、3勝すればフリークラスの四段(プロ棋士)になれる制度。福間清麗が2022年に初めて受験した時は初戦から3連敗して不合格だった。

 2度目の試験対局は26年1月に始まり、1カ月に1局ずつのペースで進行する。試験官は順番に山下数毅四段(17)、片山史龍四段(21)、生垣四段、岩村凜太朗四段(19)、炭崎俊毅四段(17)が務める。

 勝った生垣四段はデビュー戦の勝利を「今後の公式戦に勢いをつけられる。勝ててホッとしている」と喜び、編入試験については「今日負けていれば、編入試験のときに苦手意識が生まれたかもしれない。福間さんは中飛車のプロというか、大分経験があるので、対中飛車の研究をぶつけたい」と語った。【新土居仁昌】

毎日新聞

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