オンラインカジノや捜査中の飲酒 兵庫県警、警察官計27人処分

2025/12/22 19:50 

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 兵庫県警は22日、勤務中に飲酒やパチンコを繰り返したとして、本部外事課に所属する男性警察官9人を停職6カ月の懲戒処分などにし、上司ら9人にも監督責任を問うた。オンラインカジノを利用した疑いで書類送検された警察官9人もこの日、停職6カ月などの処分を受けた。二つの問題で処分されたのは計27人に上り、うち16人が懲戒に該当。組織の深刻な規律の緩みが明らかになった。

 県警監察官室や捜査関係者によると、外事課の警部補(45)は昨年7月~今年5月、捜査対象者の行動確認中に立ち飲み屋などで計約30回の飲酒をしていたことが分かり、停職6カ月となった。別の警部補1人と巡査部長2人も飲酒やパチンコを繰り返して戒告になった。

 30~50代の警察官5人も同様の行為が確認され、懲戒には当たらない本部長訓戒や所属長訓戒の処分を受けた。

 外事課は重要技術の国外流出を巡る事件やテロ対策などを担う。業務で必要な時はパチンコ店や飲食店を利用することもあるが、事後の報告が必要。しかし9人は報告をせず、県警は業務と無関係と判断した。

 一部の警察官は調査に「暑い時に外で長時間仕事をしていると冷たい酒が飲みたくなり、つい飲んでしまった」と説明したという。

 上司として監督を果たせなかったとして、外事課の警部2人と警部補1人も戒告の懲戒処分になった。このほか警視、警部、警部補の計6人も本部長訓戒や本部長注意、所属長注意を受けた。

 若手警察官9人によるオンラインカジノの利用を巡っては、神戸市内の警察署で勤務する男性巡査長(27)を停職6カ月にし、8人を減給10分の1(3~6カ月)の懲戒処分にした。

 男性巡査長はスマートフォンで海外のオンラインカジノサイトにアクセスし、計3180回の賭博をした常習賭博の疑いが持たれている。パチンコなども含め500万円以上の借金があった。他の8人は単純賭博容疑で書類送検された。9人は県警生田署や機動捜査隊在籍時の知り合いで、仲間内で広まったという。

 土山公一監察官室長は「警察官として到底許されない違法行為、不適切な行為により、多数の職員を処分するに至った事実を重く受け止め、県民の皆さまには深くおわび申し上げます」とコメントした。【柴山雄太、木山友里亜】

毎日新聞

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