トラック2台、段ボール50箱以上 高市首相の引っ越しは警戒態勢で

2025/12/29 17:29 

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 高市早苗首相は29日、東京・赤坂の衆院議員宿舎から、首相官邸に隣接する公邸に引っ越した。大規模災害など危機管理対応への懸念から、野党から公邸への転居を促す声が上がっていた。

 29日正午過ぎに衆院議員宿舎に2台のトラックが到着すると、50箱以上の段ボールなどが次々と積み込まれた。議員宿舎から公邸までの道のり(直線距離で約400メートル)は複数の警察官が警戒に当たり、物々しい雰囲気に包まれた。午後2時前、荷造り作業を終えた首相は、黒色のスエット姿で黒塗りの首相専用車に乗り込み、住み慣れた議員宿舎を出発。約4分後には公邸に入った。

 政府関係者によると、夫の山本拓元衆院議員と同居する。山本氏は今年2月に脳梗塞(こうそく)を発症し、首相は周囲に介護をしていると明かしていた。転居を前に公邸はバリアフリー対応の改修も実施された。

 公邸は2005年に旧首相官邸を改装して使用が始まった。歴代首相が入居してきたが、12年から7年8カ月政権を担った安倍晋三元首相は都内の私邸から官邸に通った。安倍政権を引き継いだ菅義偉元首相も衆院議員宿舎から通った。

 一方、危機管理の観点から、野党からは「一日も早く公邸に住むべきだ」との意見が出ていた。11月の衆院予算委員会で公邸入りの時期を問われた首相は、外交日程や国会審議に追われていると説明し「今は荷造りの暇がないどころか、睡眠時間もほとんど取れていない状況。できるだけ早く引っ越す」と答弁した。【原諒馬】

毎日新聞

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