トランプ氏、イラン再攻撃を警告 核開発再開をけん制
トランプ米大統領は29日、イスラエルのネタニヤフ首相と米南部フロリダ州で会談した。トランプ氏は米軍が6月に核施設を攻撃したイランに関して、核兵器や弾道ミサイルの開発などの軍備増強を進めた場合は「我々は徹底的にたたきのめす」と述べ、イスラエルと共に再攻撃に踏み切ると警告した。
会談はトランプ氏の私邸「マララーゴ」で行われた。会談に先立って米メディアは、ネタニヤフ氏が会談でトランプ氏に対して、イランへの再攻撃の計画について説明すると報じていた。
トランプ氏は会談前にネタニヤフ氏とともに記者団の取材に応じた。「イランが再び核開発を再開しようとしているようだ」とした上で、再攻撃の可能性に言及。会談後の共同記者会見では、イランの核開発の再開は確認されていないとの認識を示しつつ、仮に再攻撃に踏み切る場合は6月の攻撃と比較して「より強力になるかもしれない」と語った。
一方で、イランに対しては協議での合意に応じるよう求め、「それが賢明だ」とも述べた。
米軍は6月にイランの核施設3カ所を地下貫通弾「バンカーバスター」などで攻撃し、トランプ氏は「完全に破壊した」と主張している。トランプ氏は共同記者会見で、仮にイランが軍備増強に動いている場合は「我々が破壊した施設ではなく、恐らく別の施設でだ」とも語った。
また、会談ではパレスチナ自治区ガザ地区を巡る情勢も議題となった。トランプ氏は共同記者会見で、イスラム組織ハマスに対して早期の武装解除を要求した上で、応じなければ「大きな代償を払う」と述べた。
米が主導する和平計画は10月にイスラエルとハマスが「第1段階」で合意。停戦が発効し、ハマスによる人質解放は進んだ。ただ、米政権が移行を目指す「第2段階」には治安維持を担う国際安定化部隊の展開やハマスの武装解除などが含まれており、難航が予想されている。イスラエルも戦闘再開を辞さない構えで先行きは不透明だ。【ワシントン松井聡】
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