共産党前議長の不破哲三さんが死去 95歳
共産党前議長の不破哲三(ふわ・てつぞう、本名・上田建二郎=うえだ・けんじろう)さんが30日午後1時20分、急性心不全のため東京都内の病院で死去した。95歳。葬儀は家族葬で営み、党としての葬儀は別途行う。喪主は長女上田千加子(ちかこ)さん。
東京都出身。旧制一高在学中から実兄の故上田耕一郎氏(元党副委員長)らと共産党活動に入った。1953年、東大理学部物理学科卒業後、鉄鋼労連書記を経て党活動に専念。66年、36歳で指導部と位置付けられる党中央委員となり、69年に衆院旧東京6区から立候補し初当選した。2003年に退くまで衆院当選11回。
党内きっての理論派として活躍し、70年に党書記局長、82年7月の第16回党大会で宮本顕治氏(07年死去)の後を継いで委員長に就任した。69年衆院選で5から14に増やした議席を、72年に39(革新共同を含む)、79年には41(同)へと躍進させた。
87年に体調不良を理由に委員長を一旦退いたが、89年に復帰した。00年の第22回党大会で委員長を退任した後、06年まで議長を務めた。
宮本氏が一線を退いた90年代後半以降は、「現実・柔軟路線」に転じた。政権を獲得するまでの「暫定政権」として、他の野党との連合政権を模索。00年に「労働者階級の前衛政党」「社会主義革命」などと記した党規約を42年ぶりに改定し、断絶していた中国や北朝鮮との関係改善も進めた。
04年には議長として党綱領の改定を主導し、自衛隊、天皇制を「当面容認」すると打ち出した。議長退任後は、党中央委員会付属社会科学研究所長を務めた。24年1月の第29回党大会で半世紀以上務めた中央委員から外れ、名誉役員に就任していた。
「マルクス主義と現代修正主義」「不破哲三著作集」(ともに大月書店)、「新しい半世紀への前進」(新日本出版社)など著書多数。
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