「システム改修に1年」消費減税実施、27年秋以降か 国民会議
消費減税などについて超党派で協議する「社会保障国民会議」の実務者会議が8日開かれ、レジのシステム改修の課題をメーカーに聞き取った。飲食料品に限って消費税率をゼロにするためのシステム改修には「法改正から約1年かかる」との意見が出た。高市早苗政権は2026年度中に減税を始めたい考えだが、現実的には27年秋以降にずれ込む可能性が高そうだ。
「システム改修の具体的な作業期間は、内容にもよるが、1年程度を要するとのことだ」。国民会議の議長を務める小野寺五典・自民党税制調査会長は会議後、記者団に聞き取りの結果を説明した。
この日の焦点は、商品の売り上げや在庫の情報を管理する「販売時点情報管理(POS)」と呼ばれるシステムの改修に要する時間を開発業者がどう見ているかだった。出席したメーカー5社の大半は、大手スーパーやコンビニ向けのシステム改修であれば1年程度――と回答した。
小野寺氏は「ボトルネックはシステムエンジニア不足であり、政府支援などにより短期間で大きく改善することは困難との意見もあった」と説明。会議では、中小企業向けのシステムなら短い工期で改修できるとの声もあったが、小売各社が独自の機能を加える大手向けでは1年程度必要との見解が示された。
政権内では「スピード重視」の声もあるが、複雑なシステム改修を拙速に進めれば「大規模なシステム障害が起きる恐れがある」(政府関係者)。社会に混乱を招いたり賠償請求が発生したりする場合に政府が責任をとるのは難しく、メーカーに無理強いするわけにはいかない。
小売業界に詳しい流通経済研究所の山崎泰弘理事は「小売業は企業数が多く、メーカーに改修依頼が重なれば順番待ちになる」と課題を指摘。メーカー側の説明と同じく、改修には一定の時間を要するとの見方を示す。
国民会議では、3月に実施した小売店の業界団体への聞き取りでも、値札対応などで「法改正から最低でも1年は必要」との声が出ており、減税に向けた実務的な課題が改めて浮き彫りになった形だ。
高市首相は1月、減税開始について「できるだけ早い時期」と述べ、26年度内実施に意欲を示していた。だが、仮に今秋に改正法案が成立したとしても、そこから改修に1年かかれば最速でも開始時期は27年秋となる。【妹尾直道、大原翔】
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