韓国・大統領警護庁次長は出頭要請応じず 「警護業務で席外せない」

2025/01/11 19:07 

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 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布を巡り、警察は11日、尹氏に対する逮捕状執行を妨げたとして特殊公務執行妨害の疑いで朴鍾俊(パクジョンジュン)前大統領警護庁長に対する2度目の聴取を行った。この日は同庁の警備安全本部長も警察に出頭。一方、キム・ソンフン同庁次長は出頭要請に応じなかった。

 朴氏は当初、警察の出頭要請に応じていなかったが、3度目の要請で10日に初めて出頭した。聯合ニュースによると、警察は10日に続き、尹氏への逮捕状執行の妨害に関連して、誰かの指示を受けたのかなどを中心に聴取を続けているという。

 一方、朴前庁長が10日に辞職したことに伴い、庁長代行となったキム氏は3度目の出頭要請に応じなかった。聯合によると、警護庁は11日、「大統領の警護業務で席を外すことができない」と説明した。警察はキム氏に対する逮捕状請求を検討している。

 尹氏に対する逮捕状の執行阻止に向けた警護庁による動きは現在も続いており、公邸周辺に鉄条網を張り巡らせるなどの準備が進められている。韓国メディアはキム氏が戒厳令を進言した金龍顕(キムヨンヒョン)前国防相=内乱罪などで起訴=と親しく、逮捕状執行阻止を強硬に行う可能性があると指摘している。

 高官犯罪捜査庁(高捜庁)と警察は警護庁の態勢を弱体化させたうえで、尹氏の逮捕に踏み切りたい考えだとみられる。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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