インドネシアの給食無償化は「先進国入りへの投資」 費用捻出が課題

2025/01/11 18:57 

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 石破茂首相は11日、インドネシアのプラボウォ大統領と会談し、同国の給食制度への支援を表明した。給食無償化は昨年10月に就任したプラボウォ氏の肝煎り政策で、先日スタートしたばかりだ。必要な費用は最大で年450兆ルピア(約4・4兆円)に上り、国際社会からの支援が鍵を握るとみられている。

 無料給食の対象は、幼稚園から高校生までの児童・生徒ら計約8300万人。社会省によると、6日に国内38州のうち26州の一部の学校で始まり、ご飯や野菜炒め、果物、牛乳などが約60万人に提供された。

 インドネシアは2045年までの先進国入りを目指しており、アグス・ジャボ副社会相は「(プラボウォ)大統領は、この制度が栄養価の高い食事の提供だけでなく、若者の健全育成に向けた投資となることを願っている」と述べた。

 ただ、給食制度を全国で本格的に実施すると、年4兆円以上かかるとされる。国家予算の1割に当たり、費用の捻出が課題となっている。防衛予算の拡大も目指す中、給食予算の確保を優先すれば、そのほかの政策に影響を与える恐れがあると指摘されている。

 プラボウォ氏は外国からの支援獲得に躍起だ。昨年11月に中国と米国を訪問し、両国政府から資金提供などを引き出した。石破氏との会談でも「日本が支援してくれるならば、歓迎したい」と述べた。

 インドネシア政府の関係者は昨年9月、日本の給食制度を参考にするため、長崎県の学校などを視察。日本政府はさらなる支援として、専門家の派遣や研修などを行う方針を明らかにした。【バンコク石山絵歩】

毎日新聞

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