神奈川県藤沢市の集合住宅の一室で２０２４年８月、１人暮らしの住民女性（当時５６歳）が殺害された事件で、県警捜査１課は２３日、いずれも住所不定で無職の百瀬勇二（４７）と中山孝夫（７５）の両容疑者を殺人容疑で逮捕した。女性と２人は１０年以上前からの知人で、同課は女性宅で飲酒していた際に何らかのトラブルが起きたとみて調べている。

　逮捕容疑は２４年８月７日午後、同市本町２の集合住宅一室で住民の笠原恵美子さん（５６）の顔や上半身を殴ったり蹴ったりして殺害したとしている。司法解剖の結果、死因は外傷性ショックだった。百瀬容疑者は黙秘し、中山容疑者は「殴ったのは間違いないが、殺してはいない」と供述しているという。

　同課によると、中山容疑者は数日前から、百瀬容疑者は同日午後から笠原さん方に滞在。事件当日はもう１人の知人を加えた４人で飲酒していたという。

　女性を定期的に訪問していた介護ヘルパーが９日午後１時ごろ、ベッドの上であおむけに横たわっている笠原さんを発見し、１１９番した。捜査関係者によると、当時、玄関は施錠されておらず、部屋が荒らされた形跡はなかった。周辺の防犯カメラや被害者の交友関係などから百瀬と中山の両容疑者が浮上した。【宮本麻由、矢野大輝】