3連敗から賜杯争いに 混戦に本気度高まる霧島 大相撲初場所

2025/01/23 20:38 

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 ◇大相撲初場所12日目(23日、東京・両国国技館)

 ◇○霧島(送り投げ)王鵬●

 トップを走る金峰山の2敗目で、優勝争いの行方が見通せなくなってきた。混戦に加わってきたのが、初日から3連敗しながら盛り返している大関経験者の霧島だ。好調の王鵬を巧みにいなして9連勝。金峰山を1差で追っている。

 立ち合い、重い突きで押してきた王鵬に応戦しながら、まわしを狙った。激しい攻防の中で王鵬の左の突きが空を切り、横向きになったところを、すかさず右上手をつかんで後ろを向かせ、俵を伝って逃げる相手を最後は投げ倒した。

 「自分の体(の動き)を信じた」と納得の表情。八角理事長(元横綱・北勝海)は「前に出ているよね。いい時の霧島だ」と評した。

 ちょうど1年前の2024年初場所。霧島は綱取りに挑んだが、11勝4敗でそのチャンスを逃した。翌春場所は初日から4連敗するなど振るわずに5勝10敗で負け越し。夏場所は首の痛みで途中休場して、大関の座も手放した。

 その後も成績は不安定で、今場所は22年名古屋場所以来の平幕で迎えた。本人には首の痛みが癒えつつある好感触もあったという。

 だから横綱、大関を相手に喫した3連敗にも「悪い相撲じゃなく、力も出せた」と気落ちせず、浮上の時をうかがっていた。

 3敗の4人のうち、王鵬を除く豊昇龍、霧島、尊富士は幕内優勝経験者だ。11日目の支度部屋で「(優勝争いは)まだ早い。楽しくやらないと」と話していた霧島はこの日、「残り3番だけに集中したい」。賜杯への本気度は高まってきたように見える。【岩壁峻】

毎日新聞

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