中国企業念頭に情報流出対策強化 新たな事前審査制度 政府方針

2025/01/23 21:00 

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 政府は23日、海外企業による対日投資について、新たな事前審査制度を設ける方針を明らかにした。外国政府の情報収集に協力する可能性のある企業を「特定外国投資家」と位置づけ、届け出を義務化する。中国企業を念頭に情報流出対策を強化する。

 23日の財務省関税・外国為替等審議会の分科会で示した。今春にも外為法の政令を改正する。

 現行制度では、インフラなど安全保障上重要な「コア業種」に対して、外国投資家などが1%以上の株式を取得する場合、事前の届け出を求めている。政府が安全保障上の問題があると判断すれば、投資の中止を命令できる。

 ただ、10%未満の株式取得の場合、「取締役会などの重要な意思決定に関与しない」などの基準を満たせば、審査が免除される。特定外国投資家は、この免除制度の利用ができなくなる。

 中国は2017年施行の国家情報法で、個人や組織に情報活動への協力を義務づけている。今回の新たな事前審査制度で、安保上のリスク軽減にもつなげたい考えだが、対象者が届け出をしなかった場合の事態の把握方法なども問われそうだ。【古川宗】

毎日新聞

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