教職員の不祥事多発で緊急会議 教育長「危機的状況」 高知

2025/01/27 12:55 

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 高知県で教職員の不祥事が多発していることを受けて、高知県教委などは24日、高知市で県内全市町村の教育長と県立学校長を集めた緊急合同会議を開催した。約100人が出席し、県の長岡幹泰教育長は「県の教育界はまさに緊急的、危機的な状況にある」と強調。不祥事の根絶に教育関係者全員が徹底的に取り組むよう訴えた。

 教職員の不祥事により県教委が実施した懲戒処分は、1月22日の3人で2024年度は計10人(免職5、停職3、減給2)となり、23年度の10人に続き2桁に達した。県教委がとりわけ強く問題視するのは、10人のうち、相手が未成年の場合を含んだわいせつ事案が6人に上ったことだ。

 長岡教育長は「大人として正しく生きる責任を持つ教職員が、『魂の殺人』と言われる性暴力、わいせつ行為を行うことは言語道断であり、断腸の思いだ」と不祥事を厳しく断罪。再発を防止するためには「教職員、管理職、教育委員会の一人一人が『自分ごと』とし、想像力を持って腹に落とすことだ」と述べ、各人が心の底から不祥事を起こさないという強い意志を持つことが必要だと述べた。

 県教委は今回の「危機的状況」を受けて、具体的な改善策をまとめた。これまで各学校で取り組んできた不祥事防止対策で、先進的な内容のものを全県で共有するほか、不祥事を起こした場合に被害者、家族、同僚、自身にどれほどのマイナスの影響があるかを具体的に示すリーフレットを作成して配布する。

 飲酒運転防止策では、宴席から帰宅する交通手段の事前申請や、宴席で酒を飲まない「ハンドルキーパー」を決めて送迎するなどの具体的なルールづくりを求める。

 会議終了後、長岡教育長は記者団に対して「『自分は不祥事は起こさない』『関係ない』という思い込みをなくさないといけない。市町村教育長、学校長は、速やかに自分の言葉で不祥事を起こさない決意を教職員に伝えてほしい」と訴えた。【小林理】

毎日新聞

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