幅広いレパートリーを持ち、国際的に活躍した指揮者の秋山和慶さんが２６日、肺炎のため亡くなった。８４歳。葬儀は近親者で営む。後日お別れの会を開く予定。喪主は妻圭子（けいこ）さん。

　所属事務所によると、秋山さんは今月１日に東京都内の自宅で転倒。頸髄（けいずい）損傷を負い、入院していた。１月上旬に出演予定だった東京交響楽団のニューイヤーコンサートを降板。２３日に音楽活動からの引退を表明していた。

　東京都生まれ。故斎藤秀雄に師事し、１９６３年に桐朋学園大を卒業。６４年に東京交響楽団を指揮してデビューし、４０年にわたって同団の音楽監督と常任指揮者を務めた。また、バンクーバー交響楽団の音楽監督など国内外で要職を歴任。地方のオーケストラの発展にも尽力し、昨年、指揮者生活６０周年を迎えた。東京交響楽団とともに９４年度に毎日芸術賞を受賞、２０１４年に文化功労者。