危険運転見直し 高速度運転は「数値基準で適切処罰を」 被害者遺族
鈴木馨祐法相は28日の閣議後記者会見で、自動車運転処罰法の改正について、2月10日の法制審議会(法相の諮問機関)総会で諮問すると明らかにした。法制審では危険運転致死傷の要件に、高速度運転と飲酒運転、タイヤを滑らせる「ドリフト走行」を加える方策が議論される。鈴木法相は「危険、悪質な運転による死傷事犯への対応は喫緊の課題。できる限り早期の答申を期待している」と述べた。
自動車運転処罰法を巡っては、猛スピードや飲酒による事故を起こした運転手が、過失運転致死傷から、故意に危険な運転をして人を死傷させたとする危険運転致死傷に切り替えられ、刑事責任を問われるケースが各地で相次ぐ。宇都宮市の国道で2023年2月、佐々木一匡さん(当時63歳)の命が奪われた事故もそうだった。
佐々木さんはオートバイで帰宅中、時速160キロ超の車に追突された。現場の法定速度は60キロだったが、宇都宮地検は「車は真っすぐ走っており、進行を制御できていた」として運転手(21)を過失運転致死で起訴した。
「一般道の160キロ走行が『制御困難な高速度』でないなら何が危険運転なのか」。妻の多恵子さん(60)は納得できなかった。
多恵子さんは罪名を変更するよう地検に要望した。オンラインや街頭で署名を呼び掛け、23年7月には他の交通事故の遺族と「高速暴走・危険運転被害者の会」を発足させた。
集まった署名は8万筆近く。地検は24年10月、危険運転致死への変更を求め、裁判所に認められた。自分が感じた憤りは間違っていなかったと実感した。
法制審議会への諮問で法改正に向けた動きが本格化するが、「現行法の解釈を市民感覚に沿った運用にしてほしい」と戸惑う気持ちがある。一方で、夫を亡くした上、その事故が一度は「過失」とされた苦しさを他の誰かに味わってほしくないと願う気持ちにも偽りはない。
法制審の審議では、特に高速度の数値基準の議論に注目する。「基準の導入は評価できるが、少しでも基準を下回れば『危険運転ではない』とされると理不尽だ。悪質な運転にはきちんと適用できるような議論を願っている」と語る。【三上健太郎】
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