山口・長生炭鉱で2回目の潜水遺骨調査 戦時中の事故で183人犠牲
戦時中の1942年2月、落盤による大規模な水没事故で朝鮮半島出身の労働者と日本人労働者計183人が亡くなった山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で31日、残されたままの遺骨の収容に向け、地元の市民団体が潜水調査を実施した。坑道内の潜水調査は2024年10月に続いて2回目で、2月2日まで実施する。初日は遺骨は見つからなかった。
長生炭鉱では事故後、犠牲者の遺体が収容されないまま、坑口(坑道への出入り口)が閉じられた。地元の市民らでつくる「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は国に遺骨の調査と収容を要請してきたが、国は「埋没位置や深度などが明らかでなく、現時点で調査は困難」とする。そのため、刻む会は24年からクラウドファンディングで集めた資金を使って、調査を始めている。
31日は、昨年9月の掘削で見つかった海岸近くの坑口(地下約4メートル)から、ダイバーの伊左治(いさじ)佳孝さん(36)が坑道内に入った。約1時間半かけ、水がたまった坑道内を坑口から約250メートル先、水深約28メートルのところまで調査した。
終了後、伊左治さんは報道陣の取材に「坑口から200メートルを超えた辺りから木の骨組みのような構造物があり、ジャングルジムの間を抜けていくような状態だった。頭に何か落ちてくることもあった。抜けられるところを探すのに時間がかかったが、前回より約100メートルほど奥に進めた」と坑道内の状況を説明した。
「構造物を取り除くには2人以上のダイバーが必要になる」とし、「今回は抜けられる場所を見つけながら進んでいく」と語った。
長生炭鉱は宇部市の床波海岸にあり、32年ごろから民間企業が本格操業を始めた。太平洋戦争開戦から約2カ月後の42年2月3日、坑口から約1キロ沖合で落盤による水没事故が発生し、労働者計183人が亡くなった。うち136人は朝鮮半島出身の労働者だった。
【福原英信】
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