兵庫情報漏えい疑惑 「第三者委の情報不開示は違法」大学教授が提訴

2025/03/25 19:52 

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 兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(2024年7月に死亡)の私的情報の漏えいが疑われる問題で、神戸学院大の上脇博之教授は25日、県が設けた二つの第三者委員会の委員名簿や設置要綱の情報公開を求める訴訟を神戸地裁に起こした。

 元局長の公用パソコンに保存されていた私的情報を巡っては、県の元総務部長が複数の県議に漏らしたとされる疑惑のほか、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に何らかの方法で流出した疑惑がある。

 それぞれの疑惑について第三者委が設けられているが、県は「率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある」などとして、設置要綱や委員名簿を明らかにしていない。

 訴状などによると、上脇氏は今年2~3月、第三者委の公正性や中立性をチェックする目的でこれらの文書の情報公開請求をしたが、県はいずれも不開示を決定。こうした県側の対応は違法だとして、決定の取り消しなどを求めている。

 上脇氏は提訴後に記者会見し「常識ではあり得ないことが起きている。知る権利を保障する観点からも、民主主義社会においては当然情報公開して説明責任を果たすべきだ」と訴えた。【木山友里亜】

毎日新聞

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