フジ部長「無邪気な連絡してみましょうか」 中居氏との連絡明らかに
元タレントの中居正広氏がフジテレビのアナウンサーだった女性に性暴力を加えた問題は、女性を追い詰めるような中居氏のメールの文言が明らかになり、波紋を広げている。3月31日に公表されたフジの第三者委員会による調査報告書では、圧倒的な権力格差がある中で、女性が逃げ道を塞がれていく過程が浮き彫りになった。
2人はこれまで示談契約の守秘義務があるとして、内容を明らかにしてこなかったが、第三者委は双方に聞き取りをするとともに守秘義務の解除を要求。女性は全面解除に応じるとしたものの、中居氏が応じなかったため、フジ関係者へのヒアリングや関係資料に基づいた認定となった。
報告書は2人にプライベートな関係がないと明記した。中居氏は2023年6月2日午後0時11分、女性に「今晩、ご飯どうですか?」とショートメールを送信。女性は仕事上の付き合いがあることから、予定が空いていると伝えた。中居氏からは「はい。メンバーの(に)声かけてます。また、連絡します」と返事があった。女性は以前、食事をした時のような複数人が参加する会合だと思っていた。中居氏は誰にも声をかけていなかった。
中居氏は午後5時46分、女性に「雨のせいか、メンバーが歯切れわるくいないです。飲みたいですけど、さすがに2人だけだとね。どうしましょ」「隠れ家的な、お店。自信はありませんが、探してみますね」などとメッセージを送った。中居氏は実際に店に電話をかけるなどしなかったという。
午後7時14分、中居氏が「(仕事)終わりました。メンバー見つからずです~。どうしよかね。2人だけじゃ気になるよね。せっかくだから飲みたいけど」と連絡した。女性は、予定が空いていると既に伝えていたため、立場上「2人だけでは嫌だから今日はやめたい」と言えず、飲食店での食事だと思い、「2人でもよい」という内容の返事をした。その後、中居氏が自身の所有するマンションでの食事を提案した。
女性は第三者委の調査に対し「仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそう言われたら、行かざるを得ない。ここで断ったりしたら仕事に影響が出るのではないか、そんな思いがあって行きたくはないけど行った」などと証言。第三者委は「中居氏と女性の間には圧倒的な権力格差のある関係が存在する。女性はやりとりを経て精神的に逃げ道を塞がれた」と結論づけた。
報告書では、女性への対応を巡り、中居氏とフジの編成部長(当時)の生々しいやり取りも公表された。
女性の心身の不調を知った中居氏は7月12日、編成部長に「明日、17時~うちの事務所で。申し訳ない。協力を願いたいです」とショートメールを送信。編成部長は「かしこまりました! お役に立てるよう尽くします」などと返信し、翌13日、別のフジ社員と共に中居氏の事務所を訪ね、中居氏から「女性の心身の回復のために助けてほしい」と依頼を受けた。
その夜、中居氏は編成部長にメールで「(女性から)また、連絡があり、摂食障害とうつで入院。やりたい仕事もできず、給料も減り、お金も無くあの日を悔やむばかりと。見たら削除して」「どうしよか」と相談。編成部長は「なかなかですね、、私から無邪気なLINEしてみましょうか??」と返信した。
さらに編成部長らは中居氏の依頼を受け、100万円の見舞金を女性が入院する病院に届け、中居氏に弁護士を紹介していたことが判明。第三者委は「女性に対する2次加害行為とも評価し得る」とし、「『大物タレントである中居氏を守り、社員は守られない』という女性の疎外感、絶望感が形成されたことは当然」と指摘した。
女性は7月末に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、24年8月にフジを退社した。9月9日、編成部長が中居氏に女性の退社をメールすると、中居氏から「了解、ありがとう。ひと段落ついた感じかな。色々たすかったよ」と返信があった。編成部長は「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き、何かお役に立てることがあれば、動きます!」と返し、女性に寄り添う姿勢は見られなかった。
昨年12月に週刊誌報道でトラブルが明らかになり、中居氏が司会を務めるテレビ番組の休止や、出演CMを企業が控える動きが広がった。中居氏は25年1月9日、自身のホームページでトラブルがあったことを認め、「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」とコメントを公表。芸能活動を続ける意向を示したが、出演番組の打ち切りや降板が立て続けに決まり、同月23日に引退を発表した。中居氏がトラブルの真相を語ることは無かった。【諸隈美紗稀、平本絢子、松原由佳】
-
障害者施設での「虐待」通報者の情報を漏えい 三重・大紀町が謝罪
三重県多気町の障害者福祉施設の職員が2024年2月、入所者が職員から虐待を受けた疑いがあるとして、入居者の住所地がある大紀町に通報したところ、同町健康福祉課が…社 会 4時間前 毎日新聞
-
動く「iPS心臓」 ミャク打つ様子を初公開 大阪・関西万博の目玉
大阪大の澤芳樹名誉教授らは2日、13日に開幕する大阪・関西万博で展示される、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った「iPS心臓」が脈打つ様子を報道陣に初めて…社 会 5時間前 毎日新聞
-
民放連、フジテレビに厳重注意 「人権意識欠ける」 遠藤会長は辞任
元タレントの中居正広氏がフジテレビのアナウンサーだった女性に性暴力を加えた問題で、日本民間放送連盟(民放連)は2日、フジの対応に「人権意識およびコンプライアン…社 会 5時間前 毎日新聞
-
「学校でもゲームでも社交的」 愛知で遺体発見の16歳 友人肩落とす
愛知県一宮市の住宅で遺体で見つかった東京都葛飾区の高校生、加藤和華さん(16)は中学生の頃からオンラインゲームが好きだったという。中学時代の同級生らは「学校で…社 会 5時間前 毎日新聞
-
はやぶさ2が異常検知、3月からセーフモードに JAXAが詳細確認中
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、小惑星の観測に向けて航行中の探査機「はやぶさ2」が異常を検知し、省電力化して安全を確保する「セーフホールドモード」の状…社 会 5時間前 毎日新聞