「世間にインパクトを」 新年度スタート 各地で式典開かれる

2025/04/01 21:27 

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 新年度が始まった1日、全国各地で入社式や入庁式などが開かれた。

 2月末に大規模山林火災が発生した岩手県大船渡市では、市立綾里(りょうり)小で入学式があり、新入生8人がはかまなどの和装で出席した。自宅が全焼した佐々木匡(たく)さん(6)の母麻衣子さん(37)は「無事に入学できてよかった。多くの人に助けてもらった」と目を細めた。綾里地区では火災で163棟が焼損した。

 大船渡市役所では、新規採用した職員の辞令交付式が開かれた。渕上清市長は新職員14人を前に「職員一人一人が力を合わせ大規模火災からの復旧・復興を成し遂げ、より一層災害に強い自治体へと成長していくことを心から期待する」とあいさつした。

 大阪府咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)では2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の入所式があり、自治体や民間企業から新たに出向・派遣された約90人が出席した。自治体から派遣された大森祐輔さん(26)は「万博という大きな事業に携われることは貴重。いろいろなことを吸収しながら精いっぱいやっていきたい」と話した。

 一方、斎藤元彦知事を巡る問題で混乱が続く兵庫県では、新規採用職員の辞令交付式があった。斎藤氏は新人職員310人を前に「皆様が安心して力が発揮できるよう、私自身、そして幹部職員をはじめ、県庁職員が一丸となって風通しの良い職場づくりに向け、みなさんを支えていきたい」と述べた。

 また、ソニーグループは東京都大田区のライブホールで合同入社イベントを開催し、国内グループ30社以上から新入社員ら約1000人が集まった。AI(人工知能)技術部門に配属された飯岡雄偉さん(24)は「ユーザーに新しい体験を提供し、世間にインパクトを与え、自分自身も楽しめる『三方よし』の研究開発者を目指していきたい」と意気込んだ。

 日本製鉄は東京都千代田区の本社で入社式を開いた。今井正社長はあいさつで米鉄鋼大手USスチールの買収計画について触れ「グローバルな事業展開を成長戦略の柱としている。国内外の鋼材マーケットで圧倒的ナンバーワンになれるよう、共に取り組んでいきましょう」と総合職の新入社員245人に呼び掛けた。【奥田伸一、岡崎英遠、稲生陽、佐久間一輝、成澤隼人】

毎日新聞

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