スリランカ航空が謝罪、内規変更 車いす搭乗に「差別的」診断書

2025/04/18 15:00 

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 旅客機に搭乗する車いす利用者に対して、医師の診断書を提出するよう求めていたスリランカ航空は17日、対応が誤りだったとして関係者に謝罪した。

 スリランカ航空は、車いす利用者に一律に提出を求めている診断書に「他の乗客に、においや外見で不快感を与えそうか」というチェック項目を設けていた。

 こうした項目や診断書の提出について、関係者から抗議の声が上がっていたほか、国土交通省も障害者差別解消法に基づく航空事業者向けの対応指針に違反する可能性があるとして調査していた。

 スリランカ航空は取材に、国交省から対応指針の順守を求められたことを認めた上で、「医療的ケアが必要な場合を除いて車いす利用者に診断書の提出を求めないよう内規を変更した」と答えた。

 この問題を巡っては、2~3月、車いす利用者の男性が、国際協力機構(JICA)のプロジェクトに参加するため、成田空港からスリランカへの直行便を予約したところ、医師による診断書の提出を求められたため、JICAがスリランカ航空に抗議していた。

 診断書には「患者の状態は他の乗客に不快感を与える要因になりそうですか?(におい、外見、行動)」との項目があり、「はい」か「いいえ」を選択した上で、「はい」の場合は内容を詳細に書くよう求めていた。

 男性は「高度なプライバシーにあたる医療情報を、車いすに乗っているだけで一律に提供するのはおかしい」と批判。スリランカ航空は17日、JICAに謝罪した。【黒川晋史】

毎日新聞

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