自治体の一般職職員、35%が「カスハラ受けた」 総務省調査

2025/04/25 16:33 

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 総務省は25日、地方自治体の一般職職員を対象としたハラスメントに関する調査結果を初めて公表した。回答者の35%が暴言や暴力、理不尽な要求などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)を受けたことがあると回答した。民間企業の従業員を対象とする厚生労働省の調査結果に比べ、約3倍に上ることが判明した。

 調査は2024年11月から12月にかけて実施。全国388の都道府県や市区町村に勤務する一般職の職員2万人(常勤1万4191人、非常勤5809人)を無作為に抽出し、1万1507人(57・5%)が回答した。

 過去3年間にカスハラを受けたことがあるかを尋ねたところ、35%が「ある」と回答。特に30代(44・6%)や20代以下(40%)の若い世代で被害に遭った割合が高かった。任用形態別では非管理職の正規職員が42・8%と最も高く、管理職の正規職員でも36・5%に上った。男女別では男性が38・4%、女性は31・3%。

 カスハラを受けたきっかけを複数回答で聞いたところ、「行政サービスの利用者・取引先の不満のはけ口、嫌がらせ」が72・5%。続いて「行政サービスの利用者・取引先の誤認など」が57・1%で「職員の対応が一因」は17・5%だった。職員が所属する部署別では、広報広聴(66・3%)▽年金保険関係(61・5%)▽福祉事務所(61・5%)▽戸籍などの窓口(59・9%)――などの割合が高い。

 一方、23年度に厚労省が民間企業の従業員を対象に実施した同種の調査では、カスハラを受けたと回答したのは10・8%だった。

 総務省の担当者は「地方公務員は窓口業務も多く、苦労していると実感した」と明かす。東京都など自治体が条例を定めて抑止を図る動きもあるが、同省は対応マニュアルの作成など取り組みやすい対策について全国の自治体に通知するという。【内田帆ノ佳】

毎日新聞

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