トランプ関税、米韓が初協議 「パッケージ合意」7月初めまでに用意

2025/04/25 11:10 

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 米韓両政府は24日、米国の首都ワシントンで、トランプ米政権の関税措置を巡る閣僚級協議を初めて実施した。韓国の崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相は協議後、対韓追加関税の撤廃と米韓の産業協力に関する「パッケージ合意」を7月初めまでに用意することで一致したと明らかにした。

 閣僚級協議には、韓国側から崔氏と安徳根(アンドクグン)産業通商資源相、米側はベッセント財務長官と通商代表部(USTR)のグリア代表が参加した。

 米韓は▽関税措置▽経済安全保障▽投資協力▽為替政策――の4分野を中心に議論する。24日の協議では韓国側から▽貿易・投資▽造船▽エネルギー――などの分野での協力ビジョンを紹介した。崔氏は会談後、記者団に対し「韓国経済に否定的な影響が最も大きい自動車分野について、重点的に説明した」と述べた。

 朝鮮日報によると、韓国側からは米国への投資と技術・人材養成分野での協力についても説明。米側は造船業の協力案について満足感を示したといい、安氏は「かなり良いスタートを切ったと思う」と評価した。

 一方、米側が日本や韓国の参画を期待しているアラスカ州での大規模な液化天然ガス(LNG)開発事業について、安氏は「事業の妥当性を現時点で判断するのは容易ではなく、一つ一つ詰めることが多い」と述べるにとどめた。在韓米軍駐留経費の負担については議論にならなかったという。

 韓国の産業通商資源省とUSTRは近く実務者協議を開く。5月15日から韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易担当相会合に合わせて閣僚級協議も行われる。

 韓国では6月3日に大統領選挙が予定されており、韓国メディアは大統領選後に合意する可能性が高いとの見方を示している。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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