「空飛ぶクルマ」が活況 上海モーターショー 商用化は「秒読み」

2025/04/25 10:00 

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 23日から開催中の中国・上海モーターショーでは、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれる電動垂直離着陸機(eVTOL)が多数展示されている。大阪・関西万博でもデモンストレーション飛行が披露されるなど注目の技術だが、中国では多数の企業が参入し、商用化に向けた開発競争が激化している。

 eVTOLはエンジンを使うヘリコプターと異なり、電動モーターでプロペラを動かす。中国の自動車メーカーは電気自動車(EV)などで培った技術も活用し、各社が開発を進める。

 奇瑞汽車は翼、コックピット、自動車の3部分を分離・合体できる車体を展示。状況に応じて柔軟に操作できるとアピールする。長安汽車はドローンのようなコンパクトな車両を披露、人工知能(AI)技術を活用し高度な自動運転機能を実現するという。

 小鵬汽車のeVTOL部門「小鵬匯天」は、地上走行する際、飛行に使う部分を車体に収容できる機能を持つ「陸地航母」を展示。高級自動車メーカーの紅旗汽車は同社初のeVTOLを発表した。業界最高レベルの安全水準を達成していると強調している。 

 中国ではeVTOLなどを活用した「低空経済」の発展を官民で推進している。まずは観光や救急分野などでの活用が期待されており、コスト削減のための無人運転の技術開発も盛んだ。既に当局から事業の認可を得た企業もあり商用化は「秒読み」段階とも言われる中で、さらに競争は加速しそうだ。【上海・松倉佑輔】

毎日新聞

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