希望崩れる瞬間、遺体安置所で目にした警察官の願い 福知山線事故
2005年のJR福知山線脱線事故当日、遺体安置所となった体育館で遺族らの対応にあたった兵庫県警宝塚署地域交通官の島ノ江健人警視(49)が毎日新聞などの取材に応じ、初めて当時を振り返った。遺族の悲しみの深さを目の当たりにした経験を語った。【柴山雄太】
◇遺体安置所で遺族ら対応
脱線事故は05年4月25日に発生。乗客106人と運転士1人が死亡し、562人が負傷した。島ノ江さんは事故当時、県警本部警務課に勤務していた。事故発生の一報が職場のスピーカーから流れ、しばらく待機した後「体育館に向かってくれ」と上司に命じられた。
部下と2人で電車に揺られ、昼ごろに尼崎市記念公園総合体育館(現ベイコム総合体育館)に到着。既に数体の遺体が運び込まれ、事故を知って、連絡がつかない人がいる家族や知人も徐々に集まり始めていた。
興奮していたり、怒っていたりする人も多かった。怒号が響き、「どうなっているんだ」とJR西日本の社員に詰め寄る人もいて、島ノ江さんがなだめたこともあった。
体育館に集まる人は多いときで100人ほどに膨れ上がった。病院に搬送されたことが分かり、ほっとした表情で体育館を後にする人たちもいたが、夕方になると、疲れ切った表情で待つ人たちばかりになった。
翌朝までほぼ寝ずに、ノンストップで対応にあたった。初めて事故状況を映像で見たのも午後8時ごろ。情報も無いなかで対応せざるをえず、集まった人の問いかけにも、JR西の社員とともに「すみません、わかりません」と何度も繰り返した。
一番つらかったのが、遺体の身元の確認だった。当時、遺体の顔や着衣を撮影したポラロイド写真で身元を確認していた。その写真を見た瞬間、大半の人は泣き崩れたという。「『まだ生きてるかも』という希望が崩れてしまう瞬間なんですよね。それがしんどかった」
今年の春から、宝塚署で、交番などを担当する地域課と交通課を管理する地域交通官になった。部下は約100人。いずれも、もしも大規模な事故が起きれば真っ先に現場に駆けつけることになる部署だ。「あのような事故が起きたらどう対応するか」と自問自答することもあるといい、「やはり起きてほしくない」と話した。
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