教訓、後世に伝える 水俣病の犠牲者慰霊式 公式確認から69年
「公害の原点」と言われる水俣病が1956年に公式確認されてから1日で69年となり、犠牲者慰霊式が熊本県水俣市で営まれた。高度経済成長の陰で未曽有の被害と差別を生んだ公害は、今も救済を巡る訴訟が続くなど全面解決に至っていない。参列者は犠牲者に追悼の祈りをささげ、その教訓を後世に伝えることを誓った。浅尾慶一郎環境相と患者・被害者団体との懇談も前日に続き実施された。
市と実行委員会が主催した慰霊式は、水俣湾沿いの水銀埋め立て地(エコパーク水俣)に建つ慰霊碑前であった。患者・遺族や地域住民をはじめ、環境省や原因企業チッソの関係者ら約660人が参列。全員で黙とうし、花を手向けた。
患者・遺族代表として杉本実さん(58)=同市=が「祈りの言葉」を述べ、差別を受けながらも前向きに生きた、亡き両親らをしのび「父ちゃんの優しさ、母ちゃんの度胸の良さは私たちが引き継いでいます。これからも見守ってください」と語りかけた。
浅尾氏は「政府を代表して水俣病の拡大を防げなかったことを改めて衷心よりおわび申し上げます」とあいさつ。チッソの山田敬三社長も「水俣病の反省に立ち、同じ過ちは二度と繰り返さないことを強く心に誓う」と述べた。【中村敦茂、野呂賢治】
◇水俣病
チッソ水俣工場(熊本県水俣市)の排水に含まれるメチル水銀が魚介類に蓄積し、それを食べた人が発症した神経疾患。工場の付属病院長が患者発生を水俣保健所に報告した1956年5月1日が公式確認の日とされる。国は68年9月に工場排水を原因とした公害病と認定した。2004年の最高裁判決で、被害拡大を防がなかった国と熊本県の責任が確定。25年3月末の認定患者数は熊本、鹿児島両県で計2284人で、うち2073人が亡くなった。
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