天皇ご一家の生活費360万円窃取 宮内庁、20代侍従職を懲戒免職

2025/05/01 18:11 

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 宮内庁は1日、天皇ご一家の生活費である「内廷費」から現金360万円を盗んだとして、侍従職だった20代職員を同日付で懲戒免職にした。侍従職は、ご一家の身の回りの世話も担う側近部局。2023年11月から25年3月にかけ、皇居内の事務室で宿直勤務中に繰り返し盗んでいたという。

 宮内庁によると、内廷費の窃盗被害は初めて。4月28日付で職員を皇宮警察本部に刑事告発した。職員は一度に数十万円を盗んだ時もあり、「お金に困っており、生活費などに使った」と話しているという。

 今年1月下旬、侍従職として内廷費の一部を管理していた40代職員が帳簿と現金残高の不一致に気付いて確認作業を進めていたところ、3月下旬になって20代職員が盗みを認めた。宮内庁は現金管理が極めてずさんだったとして、40代職員を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。

 内廷費の原資は税金だが、「お手元金」と呼ばれ、天皇ご一家や上皇ご夫妻のプライベートな支出に使われる。宮内庁は管理体制の詳細を明かせないとして、現場の事務室が宮内庁の庁舎内か、天皇ご一家の住まいの御所内かを明らかにしていない。

 西村泰彦長官は「皇室のご活動を支える宮内庁職員としてあるまじき行為で誠に遺憾。天皇、皇后両陛下や皇室の皆さま方に大変申し訳なく思っております」とコメントした。現金の適切な管理の徹底など、再発防止に取り組むという。【山田奈緒】

毎日新聞

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