「根本原因除去」を主張し続けるロシア 米ウクライナ協定は静観か

2025/05/01 22:15 

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 トランプ米政権の発足後、ウクライナにとって懸案だった米国との経済協定が4月30日に署名された。鉱物資源などの共同開発が柱となる。ロシアとの停戦交渉にどう影響するかは未知数だ。

 米国とウクライナの協定署名を受け、ロシアは様子見の構えだ。

 メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は1日、「トランプ氏はウクライナに米国の援助を鉱物資源で清算させるよう強いることに成功した」と通信アプリ「テレグラム」への投稿で一方的に主張した。米上院が「破壊的な対露制裁」の準備を進めているとも言及し、米政権の対応を注視する考えを示した。

 プーチン露政権はウクライナ和平を巡り、一貫して「根本原因の除去」が必須との立場を取る。ウクライナの「非ナチ化」「非軍事化」「中立化」を主張し続け、事実上の属国化を目指しているとみられる。

 ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟放棄と、ロシア領と主張する東・南部4州からのウクライナ軍の撤収は、交渉開始のための条件としている。

 ショイグ安全保障会議書記は4月30日、ブラジルでのBRICS高官会合に動画メッセージを寄せ、こうした露側の立場を改めて訴えた。タス通信が報じた。

 ショイグ氏は、欧州諸国によるウクライナへの平和維持部隊の派遣についても一切容認できないと述べ、「露軍の合法的な標的とみなされる」とけん制した。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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