2日間に拡大も「準備不足」露呈の環境省 水俣患者らとの懇談
1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病犠牲者慰霊式の出席に合わせ、浅尾慶一郎環境相は前日から2日間の日程で患者・被害者団体と懇談した。2024年の懇談で環境省職員がマイク音声を切った問題を改めて謝罪したが、団体側から問題への認識をただされるなど、「準備不足」が露呈した。
「きょうは時間がいっぱいあるでしょうけん、私たちの話を聞いていただきたい」。水俣病の公式確認から69年となった1日、「水俣病患者連合」副会長、松崎重光さん(83)は向かい合った浅尾氏に語りかけた。
松崎さんは1年前、水俣病と認定されないまま亡くなった妻への思いを語る途中でマイクの音声を切られた。浅尾氏は「昨年は不適切な運営があり、おわび申し上げる」と謝罪。松崎さんらの話を静かに聞いた。
昨年の懇談で「1団体3分間」で発言の持ち時間を設けた環境省。職員が時間を超過した団体の発言中にマイク音声を切ったことに批判が相次ぎ、今回は2日間に拡大して「十分にお話を伺うことができるよう適切な時間を確保したい」(前田光哉環境保健部長)との方針で準備を進めた。
しかし、当日にほころびが出た。4月30日夕の「水俣病被害者・支援者連絡会」を構成する6団体との懇談で、浅尾氏はマイク問題が省内で検証されているのかどうか問われると、「(前任の環境相は)音が切れた認識がなかったのではないか」などと答え、かみ合わないやりとりになった。
さらに、マイクの遮断が、環境省側の準備した「シナリオ」に沿った対応だった点について、浅尾氏は「シナリオを用意していたというふうには認識はしていない」とも発言。シナリオは数年前から存在し、団体側は「大臣に(存在を)伝えていないとは」といらだちを募らせた。懇談後の記者会見で浅尾氏は「認識していなかったのは事実だが、再発防止に努めている」と釈明した。
熊本学園大水俣学研究センターの花田昌宣特任教授は浅尾氏の対応を「(周囲の)レクチャーが悪いのか、水俣を勉強していない」と批判。一連の懇談では団体側が求める補償・救済の拡充も進まなかった。花田氏は被害拡大で国と県の責任が確定した04年の最高裁判決を挙げ「被害者側が補償・救済を求める構図はおかしく、国側が提言することから始まる」と指摘した。【野呂賢治、山口響】
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