求められるのは「法の支配」 憲法記念日を前に最高裁長官が会見

2025/05/03 05:00 

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 最高裁の今崎幸彦長官が3日の憲法記念日を前に記者会見した。人々の価値観の多様化や利害関係の錯綜(さくそう)で、立場の隔たりが従来よりも目立つようになっているとし、「裁判所には、社会秩序に安定をもたらし、法の支配を揺るぎないものとすることが求められている」と述べた。

 今崎長官は日本国憲法の施行後、裁判所に持ち込まれる事件は、質・量ともに変動を繰り返してきたと言及。グローバル化や少子高齢化の進行を社会の変化の事例として挙げた上で、「今後とも公正で説得力ある判断を地道に積み重ねることで、広く国民の信頼を得ていきたい」と語った。

 生成AI(人工知能)の進化やソーシャルメディアによる情報空間の急激な拡大にも触れ、「社会の変化をさらに加速させる可能性がある。司法にも影響を及ぼさないはずがない」と話した。【巽賢司】

毎日新聞

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