世界各国のバラの愛好家や研究者らが集う国際会議「世界バラ会議福山大会」が１８日、「ばらのまち」として知られる広島県福山市で開幕した。最新の栽培技術を共有する講義や、地域の花壇を巡って市民と交流するツアーなどが開催され、２８カ国から約６００人が参加する。

　会議は日本など約４０カ国が加盟する「世界バラ会連合」が３年に１度開催する国際会議で、国内開催は２００６年の大阪以来２度目。会議を誘致した福山市は、戦後復興のシンボルとして市民がバラを植えたことを機に、バラを通じたまちづくりを進めている。

　１８日は会議の参加者たちが、市内で開催中だった市最大のイベント「福山ばら祭」のパレードに参加。その後、福山城公園（丸之内）で歓迎レセプションが開かれ、会議が幕を開けた。期間中は、優れた性質を持つ「殿堂入りのバラ」の発表や、景勝地・鞆の浦（福山市鞆町）など市内外を巡るツアーが企画されている。

　世界バラ会連合のダイアン・ヴォム・バーグ会長は「福山市ほどバラを大事にする都市はない。大会をきっかけに世界中の人々に友情の輪が広がってほしい」と期待を込めた。

　運営や通訳を担う市民ボランティアは当初の想定を上回る約２１０人が登録している。市世界バラ会議推進プロジェクトマネージャーの上田善弘さんは「多くの市民の協力でバラが一番いい状態で開幕を迎えられた。福山を世界中に知ってもらう機会にしたい」と話した。

　◇ＴＧＣとコラボしたイベントも

　会議開幕前の１７日夕には、関連イベント「ローズエキスポ」で国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション（ＴＧＣ）」とコラボしたファッションショーが開催された。

　元ＡＫＢ４８の柏木由紀さんやタレントの村重杏奈さんらが、バラや福山産のデニムを取り入れた衣装をまとい、ランウエーのバラで飾られたアーチをくぐった。

　柏木さんは「バラに飾られたランウエーは初めて。福山で多彩なバラを知り、母に贈りたい」と笑顔を見せ、特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」のヒロイン役を演じた鶴嶋乃愛さんは「バラが花の中で一番好き。バラにあふれた福山に住みたい」と話し、約２０００人の来場者から大きな歓声を受けた。【関東晋慈】