リフト付きEVスクールバス導入、全国初 北九州市の特別支援学校

2025/05/23 15:26 

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 北九州市教育委員会は、小倉南区の市立小倉総合特別支援学校(児童、生徒164人)にEVスクールバス1台を導入し、23日に公開した。児童が車いす利用のまま乗降ができる電動リフトを完備しており、同種のEVバス導入は国内初という。

 市が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に取り組む一環として導入。九電グループが自治体や民間企業向けに展開する「九電でんきバスサービス」を活用した。九電からのリース契約は8年で、年間リース料の1184万円は市が負担する。

 車両はEVモーターズ・ジャパン(若松区)が製造した全長10・5メートルの路線型低床バス。電動リフト付きの特殊仕様で、車内には最大10台の車いすが乗り込めるほか、普通座席は運転席などを含め最大16席を確保。バッテリーが満充電なら航続距離は280キロメートル(参考値)となっている。また、非常災害時にはバスから校内にある管理医療機器への給電も可能だ。

 車体には市の環境マスコットキャラクター「ていたん」などが施されており、走行時に環境の大切さを訴えていきたいとしている。

 市役所前であったお披露目会に臨んだ武内和久市長は「楽しんで乗っていただき、快適な通学を実現してほしい」と述べ、環境に配慮した安全運行に期待を寄せた。

 バスは6月2日から運行開始を予定しており、車いすでの利用者は7人を見込んでいる。【橋本勝利】

毎日新聞

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