日産が横浜本社の売却検討 7工場閉鎖や2万人削減のリストラ費用に

2025/05/23 20:31 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 経営再建中の日産自動車が、横浜市西区にある本社の売却を検討していることが23日、分かった。日産は国内を含む世界7工場の閉鎖や、2万人規模の人員削減を進める方針で、売却益をこれらのリストラ費用にあてる。

 本社売却後、売却先と賃貸契約を結び施設を使うことができる「リースバック」を利用する案が浮上している。日産本社は、カルロス・ゴーン氏が社長時代の2009年、東京都内から横浜市中心部に移転した。JR横浜駅に近く、車を展示するギャラリーもある。

 日産は23日、アナリスト向け決算説明会での質疑応答の内容を公表し、26年3月期に600億円程度のリストラ費用を追加計上する可能性があると明らかにした。費用を捻出するため、資産売却を検討することも説明していた。

 日産の25年3月期の最終損益は6708億円の赤字(前期は4266億円の黒字)で、赤字幅は過去3番目の大きさだった。

 経営再建に向け世界の完成車工場を17カ所から10カ所に減らす方針で、国内では主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)と日産車体の湘南工場(同県平塚市)の2工場が候補となっている。世界で2万人規模の人員削減も行い、26年度までに24年度比で固定費と変動費で計5000億円の削減を目指している。【鶴見泰寿】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース