「EUに50%関税を推奨」トランプ氏がSNS投稿 発動なら波乱

2025/05/23 21:22 

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 トランプ米大統領は23日、貿易交渉が難航している欧州連合(EU)からの輸入品に対し、「6月1日から、50%の関税を課すよう推奨している」と自らの交流サイト(SNS)に投稿した。実際に発動すれば大幅な引き上げとなり、世界経済の波乱要因となる。

 トランプ氏はSNSで「強力な貿易障壁や付加価値税、ばかげた企業への罰則、非関税障壁、為替操作、アメリカ企業に対する不当な訴訟などで、米国は巨額の貿易赤字を抱えている。全く受け入れられない」と一方的に批判。現在のEUとの貿易交渉について「我々の議論は全く進んでいない」と指摘し、関税引き上げを示唆した。

 米国は4月上旬、EUに対し20%の「相互関税」を決めたが、上乗せ分を停止して一律分の10%のみを課している。これとは別に、各国共通の25%の自動車関税、鉄鋼・アルミニウム関税も発動している。

 米国は上乗せ分の停止期限である7月9日までにEUと協議し、関税率引き下げの見返りに米国産品の輸入拡大などを迫る考えとみられる。ただ、EUは今月8日、交渉が不調に終わった場合に総額1000億ユーロ(約16兆円)規模の報復措置を新たに実施する方針を明らかにするなど、対抗姿勢も示している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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