プーチン氏「緩衝地帯を設置」 ウクライナ北東部で攻勢を強化

2025/05/23 10:20 

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 ロシアのプーチン大統領は22日、露西部のウクライナ国境沿いにウクライナ軍の攻撃を防ぐための「緩衝地帯」を設置することが決定されたと明らかにした。政府の会合で話した。露軍は4月、ウクライナが越境攻撃していた西部クルスク州の奪還を公表。隣接するウクライナ北東部スムイ州への攻勢を強めており、「緩衝地帯設置」の名目で侵攻を正当化する狙いがあるとみられる。

 露大統領府によると、プーチン氏は会合で、スムイ州と国境を接するクルスク、ベルゴロド、ブリャンスクの3州に対して「ウクライナ軍が民間施設を狙った攻撃を続けている」と主張した。緩衝地帯設置の任務を遂行し、相手側の拠点を積極的に制圧しているとした上で、「人々が安全な条件下で故郷に戻れるよう支援し、すべてのインフラを復旧する」と強調した。

 露軍は4月下旬、クルスク州の奪還を公表した際に「プーチン氏の指示で安全地帯の設置を進めている」と明らかにし、スムイ州の90平方キロ以上を制圧したと主張していた。プーチン氏は20日、奪還後初めてクルスク州を訪問し、自治体の首長らとの会合に出席。露紙RBKによると、会合では首長側から国境周辺の安全を懸念する声が上がっていた。

毎日新聞

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