実は「船底に穴」はなし 北朝鮮、駆逐艦事故で調査開始

2025/05/23 09:12 

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 21日に北朝鮮北東部・清津(チョンジン)の港で起きた駆逐艦の「重大事故」を巡り、国営の朝鮮中央通信は23日、検察機関と専門家による事故調査を行ったと伝えた。司法当局は調査を踏まえ、事故関係者を拘束して取り調べるための手続きに入った。

 報道によると、調査では船尾の一部通路が浸水した程度で、船体に深刻な損傷はないことがわかった。22日の報道では船底に穴が空いたと発表していたが、実際には空いていなかったという。専門家らは復旧に10日程度かかるとみている。

 一方、党中央軍事委員会は「今回の事故が容認できない犯罪的行為という事実には変わりはない」とし、関係者らの法的責任を厳しく追及するよう指示した。今回の事故を重大に扱う目的は、「部門関係なくまん延している無警戒、無責任と、非科学的な経験主義的態度に警鐘を鳴らすこと」にあるとも強調した。22日には造船所の支配人が司法当局に召喚された。

 事故は21日、5000トン級の駆逐艦の進水式で発生。朝鮮中央通信は「未熟な指揮と操作の不注意」によって、駆逐艦を載せていた台から海に移動させることができなかったと伝えていた。式には金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記も出席していた。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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