高校無償化「超富裕層への支援妥当か」 自民調査会が懸念まとめる

2025/05/23 16:15 

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 自民党は23日、自民、公明両党と日本維新の会が協議している高校授業料無償化に関する論点をまとめた。無償化の範囲について「多額の金融資産を有するような超富裕層まで支援することが妥当か」と所得制限の必要性について検討すべきだとし、3党協議で結論を得るとした。高校授業料無償化を巡っては、2月に2026年度から私立高も含めて所得制限を撤廃して支援を拡充することで合意している。自民が高額所得者の扱いを論点に挙げたことで、維新が反発する可能性がある。

 自民の教育・人材力強化調査会が23日に会合を開き、論点をまとめた。無償化自体は「経済的事情にかかわらず学ぶ機会の確保・選択肢の充実に資する」とした一方、「世論やさまざまな懸念の声に向き合うべき状況がある」とし、「超富裕層」とともに、外国籍生徒の取り扱いなどを検討すべきだとした。

 協議の交渉担当者を務める柴山昌彦元文部科学相は「(合意を)ほごにするのではなく、国民の納得感が得られるような形で限られた財源を使うことが必要だ、という趣旨だ」と述べた。3党協議での有識者ヒアリングでも同様の懸念が示されたとし「現場の懸念に真摯(しんし)に向き合うことが必要だ」と強調した。【畠山嵩】

毎日新聞

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