告発者の私的情報、元総務部長の漏えいを認定 兵庫県第三者委

2025/05/23 17:59 

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 兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報について、県の第三者委員会は元県総務部長が県議に漏えいしたと認定したことが、県関係者への取材で明らかになった。県は守秘義務違反に当たるとして、元総務部長を懲戒処分する方向で検討している。

 県によると、私的情報は元局長の公用パソコンに保存されていた。2024年3月、告発文書の出所を調査していた片山安孝副知事(当時)らがパソコンを回収し、内容を把握していたとされる。

 私的情報の取り扱いについては週刊文春が24年7月、元総務部長が職員や県議に見せて回っていると報じた。これを受け、弁護士でつくる第三者委が経緯などを調査していた。

 関係者によると、第三者委は元総務部長が私的情報を漏らしていたことを認定したという。地方公務員法では職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと定めており、県は懲戒処分の対象になると判断。23日に県幹部らによる綱紀委員会を開き、処分内容について検討したという。

 告発文書問題で県議会は調査特別委員会(百条委)を設置。百条委の聞き取りに対し、県議2人は元総務部長から私的情報の内容を口頭で説明されたり、データを印刷した文書を見せられたりしたと証言したことが明らかになっている。

 元総務部長は24年8月に総務部付に異動。10月にあった百条委の尋問では第三者に見せたかについては証言を拒否したが、「守秘義務違反と評価される違法行為はしていない」と述べていた。

 私的情報については、政治団体「NHK党」の立花孝志党首らが24年11月以降、X(ツイッター)や動画投稿サイトで公開。別の第三者委は「県職員が漏えいした可能性が極めて高い」としたことから、県が容疑者を特定せずに地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで県警に告発状を提出している。【稲生陽、山田麻未、栗田亨】

毎日新聞

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